ライターになりたい。

サブカルチャーと真面目な話。

話題の『カメラを止めるな!』

本当はミニシアターで見たかった作品だったけれど、友人に誘われてタイミングも合ってしまったので、有名な映画館で観てきました。

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映画『カメラを止めるな!』

以前からTwitterですごく話題になっていて、見たかった『カメラを止めるな!』。最初は2か所くらいしか上映予定がなくて、大々的に広告をうったりしていなかったインディーシネマということ。人気が出たから急遽上映場所を増やしたらしい。以下感想になります、もしかしたらネタバレも含まれるかもしれませんのであしからず。

感想

まず制作予算が300万円しか掛かってないということが信じられない。キャストも有名な人は全然使われてなくて、正直一人も知らなかったです。それでもこれだけの作品になるのは監督:上田慎一郎さんの手腕とキャストの力があってこそだと思う。最近の邦画はやたら漫画やアニメを映画化したり、とりあえず広瀬すずをヒロインに配置しとくか、みたいなものが多くて、全然見る気が起きなかった。無名俳優だけの起用でこれだけのものを作られてしまうと、今後、ほかの監督の腕にも注目が集まるようになると思う。

ゾンビ映画で面白いよ~」みたいな予備知識しかなくて見に行ったのですが、何も知らなくて良かった。でも多分大学生が見ると、ただ「面白おかしい映画」で終わってしまう。この映画自体も予算が限られている中で作られたもので、制作にはかなりの制約と妥協を強いられたことだと思う。作中においてもそれと近いシーンが出てくる。クライアントとキャストの注文で板挟みになる無名の映画監督。様々なトラブルにも見舞われるが、自分のプライドとなにくそ精神でもがく様子は見る人に勇気を与えるし、頑張ろうという前向きな気持ちにさせるだろう。だからこそ、そのような経験が乏しい大学生以下にとってはあまり共感できない気がした。逆に社会人になってしばらくたった人たちにとっては「こういうわがままなクライアントいるいる~」とか、「無茶なこと言ってくる上司いるよな~」とか、共感できると思う。そして作中の俳優の姿を見て、明日からの仕事も頑張ろうかな、という気持ちにさせてくれるだろう。

ワンカットでゾンビ映画を撮るとこんな風になるんだ、っていうことが知れて関心したし、ストーリー自体も面白い。前半の伏線もしっかり回収されるし、見終わった後すっきりする作品だと思う。個人的にはもう一回、ミニシアターで見たいと思う。友人に勧めるならあえてあまりごり押しせずに、やんわりと「面白かったよ~」くらいで済ますべきだと感じた。SNSで言われてる評判はものすごく共感できる人の感想に過ぎないので、誰もが同じような感情を抱くとは限らないので。正直前評判を聞く前に見に行くべき作品のように感じた(私の場合はアンテナ高くないので、知ることさえできないと思うけれど)。

最後に

話題になるべくしてなったような、クオリティの高い映画であることは間違いないと思う。作中の話だけでなく、この作品が作られた背景にも思考を巡らせてみるとより楽しめるかもしれない。興味のある方は是非、小さなシアターで見てほしい。